第二次大戦中のルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)の飛行服
中でも軽量飛行服の多くはドイツの占領地で調達されていました。
機能的な高高度防寒用飛行服の多くは(カナールジャケット 海峡飛行服などと通称される)
戦前から戦中にかけてドイツ本国や周辺国で製造されていました。
これら機能的な飛行服は大規模な本土の爆撃などが始まり、物資の調達が難しくなったり生産拠点の破壊などの影響はうけつつもある程度のクオリティ(それでも戦争初期の物に比べれば見劣りするものですが)で生産が続けられていました。
これら重衣料にくらべ、軽量な飛行服は占領地において車両用などに使用された民間のレザージャケットを飛行服として代用使用されていました。調達は個人というよりも部隊単位で行われ、ある程度のロットで購入支給されていたと思われます。
有名な私物飛行服としてはこの"HARTMANN STYLE JACKET" いわゆるハルトマンジャケットが知られています。
フランス製のサイクリングジャケットを飛行服に転用したこのジャケットは特徴的なディテールを多くもっています。
レザーはケープランドスキンやシープスキン製。カラーはブラックフィニッシュやブラウンカラーフィニッシュ。
やや長い襟をもち、ライニングはウール。
目を引くフロントの金具は金属製。ジッパーはECLAIRなどが知られます。
このジャケットのスタイルもフロントの金具のないものや、サイドアジャスターがないものも存在しますが、当時のルフトヴァッフェパイロットの画像を見ると概ね上記のディテールを有している個体を着用しています。
通常はフロントポケット上部に布製の国家鷲章を縫い付け、肩には階級章を取り付け着用されていました。
ブラウンカラーのケープスキンレザーが使われたハルトマンスタイルのジャケット
特徴的な金属製のフロントストラップ。
ジッパーはZIPP
鋭角な襟、やや斜めにつけられたジッパー付きフロントポケット
金属製リングでサイズを調節できるアジャスター
ウール製のライニング。模様や素材は様々ですが、このジャケットは最もポピュラーなスタイルの個体
レザーでくるまれたボタン
大型のフロントジッパー。この個体はZIPP製
サイズの小さな物しか見つからない印象ですが、このジャケットはかなり大きなサイズです